トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら
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「勝利」というものに圧倒的な目的が置かれる例外的な状況のトップアスリートの世界で、トランスジェンダーはどのように競技に参加すべきか?というのは、競技の歴史や性質、また興行主や広告主の意向も絡む問題だから、最終的には競技団体ごとに判断をすればいい。 そんなことは、いまスポーツの現場から排除されがちなトランスジェンダーの人たちにとってはなんの関係もない話題だ。トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら高井ゆと里周司あきら 177ページ 残念なことに、 現在も簡単に治療できる状況にはない。むしろ、もっと簡単に医療にアクセスできる世界に変わらなければならない。いったん日本の話に限定するけれど、 日本精神神経学会が出している 「ガイドライン」 どおりにホルモン治療や性別適合手術を受けようとすると、 「性別不合」の診断を得るまでに専門医と10回くらい面談する必要がある。 そうした通院をするためには、学校や仕事、家事の合間を縫って、 短くても半年くらいクリニックに通い続けなければならない。 クリニックは大都市圏に集中しているから、 地方と都会の格差も深刻だ。地方都市から夜行バスに乗って都会のクリニックに通う人たちもいるけれど、そうした人たちの苦労はとても大きい。また地域によっては、診療ができる医師の数が少なすぎて、抽選で当たらなければ診療を開始することさえできない。トランスジェンダーQ&A 素朴な疑問が浮かんだら高井ゆと里周司あきら 183ページ